ろう接とは金属を接合する冶金(やきん)接合の一種で、接合する母材より融点の低い溶加材(ろうと呼ぶ)を用いて母材を溶融させずに接合面の隙間に行き渡らせて接合する方法です。
溶加材が行き渡る様子を「ぬれる」と表現したりしますが、この行き渡りやすさを「ぬれ性」と言い、母材の溶着面や、ろうの種類などによってぬれ性の相性は異なってきます。 また母材との良好な接合状態を得るため酸化被膜を強制的に除去するため、最近のろう材にはフラックスが配合されています。
ろう付けは、小学生の時に習ったはんだ付けとは異なり熱源は主にバーナーやトーチなどガスを使った溶接方法が一般的です。
【メリット】
- 母材を溶かさないので歪の影響はごくわずか
- 精密な加工が可能
- 接合箇所が複雑なものや溶加材が届かないような部分も接合できる
- 異なる母材同士での接合が可能
- 気密性を必要とする部品も容易に製作することができる
【デメリット】
- 融接に比べると接合強度がやや弱い
- 接合面を目視で確認することが難しいため溶接欠陥を見つけにくい
- ろうと母材の組み合わせには注意が必要
ろう接の種類
ろう接は溶加材のろう(蝋)の違いで2種類に分けられます。
- ろう付け(brazing)・・・融点が450℃以上の硬ろうを使用します。
- はんだ付け(soldering)・・・融点が450℃未満の軟ろう(はんだ)を使用します。