~ フラッシュバット溶接リング ~
「ようやく」というべきか、「もう」というべきか、たったの2週間で梅雨が明けましたね。これから危険な猛暑が迫ってくると思うと気が滅入ってしまいます。皆様も熱中症にはくれぐれもご注意ください。
さて今回は水力用発電機器を設計・製作されている会社からφ1000以上の大径リングの引合が来ました。現在の加工方法は厚板からリング形状にガス切断し機械加工されている部品で、原材料費の高騰により他の製造方法を模索されていたところにたまたま営業で訪問した際に相談されたのがきっかけです。
リング形状の部品の場合、仮にφ1000なら最低でも1000mm□以上の面積の材料を使うことになり、リングの内径側の材料はロスになるので歩留まりが非常に悪くなります。そこで普通は材料を直線的(フラットバー状)に切り出して歩留まりを良くし、大型ベンディングマシーン等で曲げ加工後、溶接を施しリングの形状にもっていきます。但しこの工法ですと材料費は安価になるのですが、曲げ加工費、溶接費などの追加費用も必要になり一長一短な面もありました。
弊社が取り扱っているリングはフラッシュバット溶接リングと言われるもので、接合部を熱間圧接する手法で接合します。大変大がかりな設備を必要としますが、溶加材は必要なく、作業者の技量にも左右されず、溶接時間も短縮でき、溶接強度も母材と遜色ない状態で結合するという優れものです。ベンディング工程も自社で行なっていますので横持ち運賃は発生しないところも特筆すべきポイントですね。
現在は、強度試験データや非破壊検査記録等を提出し採用活動に動いているところです。
皆様のところでこのような事例がありましたら、気軽にご相談いただければ幸いです。
ご覧いただき有難うございます。
2022年7月1日:宮本 記