ものづくりにおいて製品に綺麗な見た目を与える「塗装」ですが、塗装マスクや塗装服をつけ、ブース内でスプレーガンと塗料タンクを持ちながら行う実際の塗装作業は大変なもの、それでも「塗装がしたい」という意欲をもつ女性社員が塗装を行っているのが、広島市で多彩な塗装を取り扱う「株式会社ムラカワ」です。

■拡大していた女性社員の活躍の場

同社では数年前より女性社員の採用が増えるとともに、それまで事務系の業務が多かった女性社員が出荷梱包のような軽作業から塗装後の外観確認などの検査やパテ処理後に機械を使って行う「面出し」「足付け」など、業務の中核となる作業を担当することも多くなり、それぞれの工程で女性ならではの視点や感覚で活躍していました。

しかし、これほど女性社員が活躍している同社でも吹き付けの作業は「男性が行うもの」といったイメージが強く、またそれが当たり前でした。
そんなとき「女性の塗装作業者が活躍している」との話を聞いたことをきっかけに、社内でも女性の塗装作業者を育成してみてはどうかという意見が上がり、試しに社内でアンケートを実施することとなりました。

■予想していなかった女性の「ものづくり」への意欲

実施したアンケートの結果、1人の女性社員が「塗装をしたい」と声を上げたことを皮切りに「実は自分で塗装をしたかった」と新入社員も含め計4名もの女性社員が塗装への意欲を見せるという驚きの結果となりました。
塗装というものづくりを仕事としたい女性社員がいる……予想していなかった社員の反応に準備期間を経て、まずは2022年7月より3名が塗装工程へ配属。

自分がやりたかったことをやる高いモチベーションで少しずつ技術を磨きながら、早くも下塗りなどの塗装は行えるまでの成長を見せている彼女たち塗装女子の姿は周囲へも良い影響を与えており、男性社員と日々切磋琢磨しているそうです。

■社内全ての工程で男女が協働

今回の塗装工程への女性社員の配属によって、同社は社内の全ての部署や工程において男女が協働する体制となり、男性女性それぞれの視点や感覚からの塗装品質の向上や社内の改善などにも期待をしているとのこと。
ジェンダーギャップの大きい業種である塗装業において、同社の体制は一歩先をいく取り組みかもしれません。

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