■高硬度材加工から深溝などの難形状加工もできる放電加工
金型加工にも多用されるマシニングセンターですが、刃物を回転させて材料を削る以上、どうしても刃物の形状がネックとなり「図面指定通りの形状へ加工できない」や深穴など「加工寸法と精度が両立できない」といった刃物を使う切削加工だけでは成立しない加工形状を求められることがあります。
各種金型や精密部品を製造する有限会社ワタセモールドでは、そういった切削加工では難しい形状の加工へ対応するために型彫放電加工機を設備しており、既存機の三菱電機製 SV12PMに加え牧野フライス製作所製 EDGE2を新たに導入。
長い時間を必要とする放電加工での難形状の加工や超硬合金をはじめとする高硬度材の加工の生産能力を増強しました。
■金型など製品加工のほか折れたタップやボルトの除去にも
求める加工形状の電極を使い素材と電極の間に電圧をかけることで発生するアーク放電の高熱で素材表面を溶かしていく放電加工はミクロン単位での加工となるため切削加工に比べ加工速度は非常に遅くなります。
ただし、電気を通す素材であれば硬度に関係なく高精度な加工が可能な上、素材自体に掛かる負荷も小さい為、切削加工のように加工対象を強く固定しておく必要がなく、加工対象のキズや変形がほとんどないといったメリットもあります。
そのため同社には通常の金型や製品の加工以外にも、折損して製品へ残ってしまったタップやボルトを除去してほしいといった依頼などもくるそうで、放電加工であれば除去したい部分だけを正確に加工でき製品へのダメージも最小限に防げるのだとか。
折れたボルトの中心へドリルで穴を開けようとしてネジ山を損傷させてしまった…といった二次被害を生まないのはとても良いですね。
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