■オークマ製 CNC旋盤 LB3000 EX Ⅲ 導入
R・S製作所ではオークマ製の旧タイプの旋盤を長年使用してきました。
しかし、ここ数年で故障が頻発し、心出し作業などに多くの時間を費やさなければならない状況に。生産がストップすることも珍しくなく、安定した生産体制の構築が急務とされていました。
新型CNC旋盤「LB3000 EX III」の導入は上記に加え、広島市が提供する省エネ機器導入支援事業の補助金に採択されたことが契機となりました。この補助金を活用することで、設備更新の負担を軽減しつつ、エネルギー効率の向上を目指す取り組みが実現しました。
従来機に比べてコンパクトで小回りが利き、特に量産向けの生産性を大きく向上させる機種です。また、刃物台が近く操作性が高いため、細かな調整も効率的に行えるようになりました。同社はこの新機種により、安定した生産体制の実現とともに、さらなる生産効率の向上を目指します。
■重切削能力と対話式操作パネル「OSP-P500」
LB3000 EX IIIは、4.4平方ミリメートルの強力な旋削能力を備えており、従来の機種と比較して加工時間の短縮が可能です。また、剛性と寸法安定性を兼ね備えたボックススラントベッド構造により、加工時に発生する熱や切削水が精度に与える影響を最小限に抑え、高い安定性が確保されます。これにより、暖機運転や頻繁な寸法補正が不要となり、生産性の向上が期待されます。
またメンテナンスの手間も大幅に削減します。切削液タンクの清掃や交換は、従来よりもはるかに少ない3年に1回で済み、スラッジ回収率99%を実現しています。これにより、作業者の負担が軽減されるとともに、メンテナンスの効率化が図られています。
オークマ製の新世代CNC対話式操作パネル「OSP-P500」を搭載しており、初心者でも簡単に操作できます。このパネルにより、NCプログラムを使わずにスピーディーに加工準備ができるため、熟練度に依存しない効率的な運用が可能です。また、加工終了時間の見積もりが瞬時に行えるため、生産計画の立案がしやすくなります。
■今後の展望
堅調な売上成長に伴い、工場スペースの確保が急務となっていました。こうした課題に応えるため、近隣に第二工場を取得し、今後の生産体制を強化していきます。新たな工場は本社工場と同等の敷地面積を持ち、従来の倍の生産量に対応可能です。さらに、芹沢社長は工作機械の知識と経験を持つ職人魂のエキスパートで、顧客の多様なニーズに柔軟に応えられる存在です。同社は、今後も事業拡大と品質向上を図り、地域に根ざしたものづくり企業としての地位を強固なものにしていく方針です。
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