製品の○○へ溶射できますか?

■肉盛溶射のお問い合わせ

先日、弊社運営サイト「ものづくりビレッジ Assy!」に溶射のお問い合わせをいただきました。
お問い合わせの内容は摩耗してしまった製品の一部を溶射で補修したいとのこと。

ここでまず「溶射」についてですが、「溶射」とは金属やセラミックス・サーメットといった材料を溶かして軟化させた粒子を対象物へ吹き付けることで、対象物表面へ皮膜を形成し耐摩耗性や摺動性を向上させる、耐熱性を持たせるといった様々な特性を対象物に付与することのできる表面改質技術のことです。
(溶射する対象物を「基材」、吹き付ける材料を「溶射材料」と言います)

溶射は溶かした溶射材料を吹き付けるという方法から基材と似たような金属や異種金属を吹き付けることで摩耗や欠損した部分の補修・再生をおこなう「肉盛溶射」というものがあり、今回いただいたお問い合わせはこちらになります。

しかし、今回のお問い合わせ内容について、付き合いのあるお取引先様に聞いたものの断られてしまったとのこと…むむ…何かあるのでしょうか…?

■溶射の施工条件の一つ『吹き付け角度』

早速、お問い合わせいただいた内容『穴の内径側への肉盛溶射』について、溶射をされている企業様をあたってみたところ「申し訳ありませんが、弊社ではできません」とお断りのお返事が…その後、なんとか施工可能な企業様を見つけご回答することができましたが、何が問題だったのでしょう。

そこで今回の内容で問題となった部分について、施工可能とのお返事をいただいた企業様にお聞きすると、【穴の内径側へ肉盛溶射をしたい】という内容の【内径側】という部分が問題なのだそうです。

当たり前の話ではありますが溶射にも施工条件があり、その一つに『吹き付け角度が45°以上90°まで』というものがあるそうです。

溶射の角度

そのため、今回のように溶射範囲が穴の内側や狭い場所などで吹き付け角度が限定される場合には、先程の条件から外れてしまうため施工できないケースがあるとのこと。
もちろん、その他の条件や設備などによっても施工可能かどうかが変わってくるようです。

今回施工可能のお返事をいただいた企業様でも、寸法がもう少し違っていたらできなかったと言われていたので、お断りされる企業様がいらっしゃるのにも納得です。

今回ご相談させていただいた溶射を扱う企業様は【高速フレーム溶射】【ローカイド溶射】【プラズマ溶射】【アーク溶射】【プラスチック溶射】など大抵の溶射は対応が可能とのことで、溶射加工の案件がありましたら是非一度ご相談ください。

この企業に関するお問い合わせ TEL 082-942-1516